STARRY DOG PARK & STORE 泉ヶ岳

STARRYでは、2024年春にドックラン併設のショップをオープンします。仙台市近郊の泉ヶ岳の麓、七北川がそばを流れる自然豊かな土地で、わんちゃんと一緒にリフレッシュ&リラックスしていただけるスペースです。引き続きクラフトグッズもお取り扱いいたしますので、ショッピングもいままで通りたのしんでいただけます。

オープンを記念して、詩人武田こうじさんとパートナーの柴犬うたちゃんを迎えて、わんちゃんとの暮らしについて、連載を綴っていただきます。昔から、「犬は人間の良きパートナー」と言われていますが、みなさまはどのようにわんちゃんと過ごしているでしょうか。

さて、これからの7回のおはなしをおたのしみいただきながら、小さなパートナーのことをあらためて考えるきっかけになればと願います。

 2024年になって、もう一か月が過ぎようとしていますね。みなさんはどんな年明けでしたか?ぼくは変わらず、うたと一緒です。わんこたちは予定や行事など、まるで関係ないですね。それがイイ。ぼくたちにはできない時間との関わり方です。

 さて、今年最初の記事は、春にオープンする『STARRY PARK 泉ヶ岳』を運営する株式会社ナナイロの中嶋竜大さん、企画部でペットシッターでもある渡部暢子さんとの対談です。『STARRY PARK 泉ヶ岳』はどんな風に始まるのか。どんなところになっていくのか、いろいろ聞いてみました。


対談中、わんこと一緒に

左から:中嶋竜大/渡部にこ/渡部暢子/武田詩/武田こうじ

武田:まずは、わんことの最初の出会いから聞いてみたいと思うのですが、おふたりは兄妹なので、同じ出会いになるのでしょうか。

中嶋:そうなりますね。ぼくが小学校の4年生か、5年生の頃かな。

渡部:そうですね。わたしが低学年の頃でした。ゴロというわんちゃんが家に来ました。

武田:それはどういうきっかけだったのですか。

中嶋:ちょっと不思議な思い出なんですが、祖父が5月5日に動物園に行ったら、わんちゃんがいて、もらってきたと言って、連れて帰ってきたんです。いま思えば、譲渡会のようなものだったのかもしれませんね。

武田:そうかもしれませんね。わんこは飼いたいと思っていたのですか。

渡部:はい。わんちゃんだけではなく、動物全般が好きでした。子どもの頃、夢を聞かれると、「動物たちと暮らしたい」と答えていました。

中嶋:母は反対していたこともあったけど、基本的に家族みんな、動物好きでしたね。

渡部:中学生の頃には、いまの暮らしにつながっていく感じがすでにあって、わんちゃんもねこちゃんも家にいました。ただ、母はどうやって育てれば良いか悩んでいたみたいで、ラジオに葉書を出して、相談していたんです。

武田:それはすごい!お母さんには大変だったのかな。ぼくの家も父は動物好きだったのですが、母は現実的でした。「誰が面倒を見るの?」といつも言っていて。

中嶋:家もそんな感じだったんだと思います。ゴロの散歩は兄妹で当番制でした。

武田:好きで飼ってみたけれど、実際にはどうでしたか。

渡部:実際に飼ってみると大変だったのを覚えています。子どもの力ではゴロを連れて歩くことさえ、大変でした。

武田:わかります。ぼくも最初にわんこが来たのが、小学校4年生の時でなにをやるにも大変だった記憶があります。そのわんこは大学を卒業するまで一緒だったので、自分の人格形成にとても影響があったと思っています。渡部さんは動物全般が好きということでしたが、わんこ以外にも飼ったことはありますか。

渡部:猫、インコ、ジュウシマツ、ハムスターなどは飼ったことがあります。

武田:そうだったんですね。ぼくはわんこだけだったから、他の動物たちにも興味があります。さて、話が一気に飛びますが、いまのわんこたちとの出会いはどんな感じなのでしょう。

中嶋:ぼくはわりと衝動的で……うちはいま、2匹いるのですが、どちらも訳ありな感じでお店にいるところを知り、「うちに連れて帰ろう」と思って、連れて帰りました。


オーナーの中嶋さん

 渡部:わたしはたまたまペットショップで見たチワワを「とんでもなくかわいい」と思って、雪の日だったんですけど、突然飼うと決めました。それは結婚したばかりの2008年頃でしたが、昨年亡くなってしまいました。フィリップという名前だったのですが、フィリップと暮らし始めてから、「共働きだけどいいのかな」とか、「アパートだけどいいのかな」とか考えるようになったんです。やがて一軒家に引っ越しをするのですが、今度はわんちゃんに関わる仕事がしたいと思うようになりました。


渡部さん

武田:ぼくも子どもの頃は、当たり前に「飼い主」としてわんこを「飼う」という風に考えていました。この連載でもそうした言葉をどう使うか悩むのですが……いまは、わんこは家族であり、もしかしたら、それ以上の存在として、ともに暮らすものとして考えられるようになってきましたね。そうなってくると、出会い方や関わり方に対しても、意識が変わっていきます。以前一緒だったミルクが保護犬だったこともあり、とても気になるようになりました。最近はペットショップの在り方などもメディアに取り上げられる機会が増えましたね。そして、それはあまり良い取り上げられ方ではない。とはいえ、すべてを否定してしまって良いのかとも思います。その辺りはどのように考えていますか。

中嶋:一概に良い、悪い、をはっきり決めることではないと思っています。お店ごとの意識、働いている方たちにもいろいろな考え方があると思います。同時に、課題もたくさんあると思っていますが。

渡部:そうですね。正しいとか、正しくないというのは、それぞれが考えることだと思います。わたしたちは自分たちが大事だと思えるやり方をつくっていかなくてはと思います。

武田:今度オープンする『STARRY PARK 泉ヶ岳』にはどういった思いがあるのでしょう。

中嶋:弊社の設立時にペット関連の仕事をしていきたいと考えていました。いまは改善されましたが、当時は殺処分のことがあったりもして、そうした課題に取り組んでいけたらと思っていたのです。そこで、最初はペット用品の販売を始めて、10年経って、施設をつくれるようになったので、創業当時の理念を実現できる時がきたなと。

渡部:わたしはいま、ペットシッターの仕事をしています。今度できる『STARRY PARK 泉ヶ岳』ではペットホテルも併設されるのですが、そこでもペットシッターとして働くことになっています。ペットシッターの仕事をしていると、わんちゃんを育てていくことは大変で、わからないことがあると、誰かの力を借りたい、どうしたら良いか教えてほしい、という方が多いことに気づきます。わたし自身も好きだけでは実際に育てていくことは大変だと感じてきたので、「わからないことがあっても大丈夫ですよ」と伝えていくことで、それぞれの関わり方を見つけていくお手伝いができたらと思っています。

武田:ドッグランができて、みんなに来てもらい、楽しく遊んでもらうだけではなく、わんこと人がどういう関わり方ができるのか、ともに考えていく場でもあるということですね。

中嶋:はい。ドッグランの主な目的は運動する、遊ぶということになりますが、そこで他のわんちゃんや飼い主の方たちと出会っていくことで、社会性やコミュニケーション力を身につけてほしいと思っています。ほかにもイートインスペースをつくる予定があります。利用することで、ライフスタイルの延長上に『STARRY PARK 泉ヶ岳』があると感じてもらい、わんちゃんと一緒のライフスタイルを充実させてほしいとも思っています。


わんこ、にこちゃん

武田:ぼくがわかっていないだけなのかもしれませんが、中嶋さんのそもそものお仕事はIT関係で、いままでのお話を聞いていると、全然ちがうお仕事だと思ってしまうのですが、どうでしょうか。

中嶋:ITのイメージってありますもんね。ただ、いままでの話でいえば、じつはそんなに強いポリシーがあるわけではない、ということがわかっていただけたのではないかと思います。自分の仕事というのは、生活でも、仕事でも、再現性の高さを大事にしています。多くの人が簡単に利用できるサービスをつくるということです。そういう意味では、いままでの仕事も、これから『STARRY PARK 泉ヶ岳』をやっていくこともつながっています。ペット関連のお仕事をされている方たちとは、考えがちがうところもあるかもしれませんが、できれば、横のつながりをつくっていきたいとも思っています。

武田:そういうことなんですね。強い想いを主張していくのではなく、いろいろな方が簡単にアクセスできて、利用することによって、わんこと人の暮らしが豊かになっていくものをつくっていけるようにしたい、ということなんですね。

渡部:わたしもいまの飼い主のやり方、考え方を肯定することから始めていきたいと思っています。人とわんちゃんの幸せとはなにか、という問いかけをともにつくっていくことを大切にしたいです。

武田:今日は貴重なお話が聞けて、良い機会になりました。『STARRY PARK 泉ヶ岳』のオープン、楽しみにしていますね。ありがとうございました。

中嶋:ありがとうございました。

渡部:ありがとうございました。


「STARRY PARK 泉ヶ岳」建設予定地

添付、『STARRY PARK 泉ヶ岳』建設予定地

profile

武田 こうじ

詩集の刊行、ポエトリー・リーディング・ライブをさまざまな場所で開催。また、病院や学校で詩のワークショップや読みきかせをしている。仙台市立富沢小学校、仙台市立錦ケ丘小学校、丸森町立丸森小学校、丸森町立舘矢間小学校、丸森町立丸森中学校の校歌を作詞。

うたと暮らす第3話

2024年になって、もう一か月が過ぎようとしていますね。みなさんはどんな年明けでしたか?ぼくは変わらず、うたと一緒です。わんこたちは予定や行事など、まるで関係ないですね。それがイイ。ぼくたちにはできない時間との関わり方です。

さて、今年最初の記事は、春にオープンする『STARRY PARK 泉ヶ岳』を運営する株式会社ナナイロの代表中嶋竜大さん、企画部でペットシッターでもある渡部暢子さんとの対談です。『STARRY PARK 泉ヶ岳』はどんな風に始まるのか。どんなところになっていくのか、いろいろ聞いてみました。